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トヨタを脅かす安全性の危機 世界シェアの拡大にひた走った代償

 昨年9月に米国で始まり、1月下旬の追加リコール(回収・無償修理)と、対象車種の販売・生産停止によって一段と悪化したこの問題は、2008年に米ゼネラル・モーターズ(GM)から世界最大の自動車メーカーの冠を奪ったトヨタの基準からしても巨大である。だが、その社名が事実上、安全性と品質の同義語となっていた会社にとっては、それ以上に大きな驚きだった。

 今回の大混乱は、1980年代に独アウディが米国で経験した一大騒動の記憶を呼び覚ます。この時、アウディはトヨタとよく似た「異常加速」による事故の報告によって評判が地に落ちた。確かに当時のアウディの米国での存在感は今のトヨタとは比べ物にならないほど小さかったが、数回のリコールやモデル名の変更、手厚い割引で被害を限定しようとする努力も虚しく、アウディの米国販売は10年間にわたって干上がることになった。

 今回のリコール問題を受け、以前から存在していたトヨタの拡大ペースを巡る懸念が再燃することになった。全世界におけるトヨタの年間生産能力は、最も成長ペースの速い中国の合弁事業を除いても、2001年の670万台から今の1000万台に急増している。

 実際、トヨタは近代のグローバルな自動車生産に内在する罠に陥ってしまった可能性がある。事業を拡大するにつれ、同社はほかのメーカーと同じようにコスト削減を図り、異なる車種や工場、国にまたがって部品を共有することでサプライチェーンを簡素化しようとした。

 前出のジョンソン氏は、「この戦略に伴うリスクは、何か問題が発生した時に、巨額の費用がかかる部品のリコールに発展し、会社の評判が大打撃を受けかねないことだ」と言う。

 トヨタで研究開発を担当する内山田竹志副社長は、同社は「何より最初に市場シェアを考え、製品開発を二の次にしてしまった」と言い、今ではそうした考え方は「後退しつつある」と話す。別の経営幹部は昨年、「我々はこれまで、自分たちには何だってできると思い込んでいた」と打ち明けていた。

 だが、もしトヨタが抱える問題が、人の気持ちを一つにするという話ではなく、構造的な問題だったとすれば、豊田氏はほとんど解決策を示せずにいる。トヨタの品質基準の高さにとって重要な要素の1つは、忠実なサプライヤー――中でも重要なのがトヨタと資本関係のある日本の部品メーカー――と密に協力する経営手法だった。

 トヨタは日本国内では、最も信頼の置ける「ファミリー」企業であるデンソーをはじめとした日本の部品メーカーからペダルを購入している。今のところ、デンソー製のペダルで問題が発生したという事例は報告されていない。

 トヨタは伝統に回帰すると約束しているが、その行く手には経済的な現実が立ちはだかる。いまだに円高傾向が続いており、幹部らによれば、車が実際に販売される市場へと生産をシフトさせていく流れは変わらないという。トヨタは昨年の不況に直面して、国内の生産台数を28%カットした。これは海外工場の2倍に上る削減ペースだ。

 一方、コスト削減のための世界共通プラットフォームや車種をまたがる部品共有化は、重要性がいよいよ増しているように見える。トヨタは今期、 9000億円のコスト削減を目指しており、事情説明を受けたある関係者によれば、同社は昨年12月に取引先サプライヤーに対し、2013年モデル向けに設計する部品の価格を引き下げるよう要請したという。

 この点などにおいて、トヨタは今、サプライヤーに対するコスト削減要請が後の問題の原因になったとされるデトロイト勢ととてもよく似てきている。前出の遠藤氏は言う。「トヨタにとって必要なのは、リスクのバランスをうまく取ることだ。最近のトヨタには、それができているようには見えない」(日本ビジネスプレス)

長いので端折ったけど長文引用に。
全文を読みたい方はリンクから飛んでください。

日本国向けのペダルはデンソーとかの国内メーカー製だったのね。
やはり「made in japan」は不滅だな…。

トヨタ的経営は日本国内では通用したがグローバル的な市場では上手くいかなかったということか…。フォードやGMのように衰退し他社にシェアを奪われるか、立て直して踏ん張れるかは、日本の部品メーカーのような忠実なサプライヤーが他国でも作ることが出来るかにかかってるんじゃないかねぇ。

  by rockside | 2010-02-01 22:00

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